創業年、障害者雇用のパイオニア
社会福祉法人東京コロニー 東京都葛飾福祉工場

防災用品コラム

「三角バケツ」から

「三角バケツ」から ~第六章 「避難所」考 今と昔~

2021.3.9

三角バケツの写真3月の「今月の気になる防災用品」で、「大型炊き出し器まかないくんPDFファイル」を紹介いたしました。1995年の阪神淡路大震災から被災地の避難所の炊き出しのために駆け付けていた「まかないくん」ですが、現在は、新型コロナウイルス感染症対策のため、被災地へ行くことを控えています。被災地ボランティアとして、避難所での有効な炊き出しの道具ですが、未だにどんなものか得体の知れず、収束のめども立たない新型コロナウイルスに対しては、冷静な見極めと慎重な行動が必要です。

コロナ禍の避難所では、密閉空間、密集場所、密接場面を避ける、三密対策とソーシャルディスタンスが重要です。そのための避難所設備品として間仕切りパーテーションがあります。かっては、避難所でのプライバシー保護が目的でしたが、今は感染症対策にもなります。また、避難所の床から高さのある段ボールベッドなども、コロナ禍の避難所では欠かせません。

マスク消毒用アルコールなど、ホームセンターやドラッグストア―で当たり前のように手に入った衛生材料が1年前の今頃は、しばらくは店頭から消えていました。コロナ禍の避難所では、衛生材料も重要な防災用品です。
3月11日、東日本大震災から10年の月日をむかえます。コロナ禍での10年ですが、あの日を決して忘れることなく、災害に備える防災用品の開発をしていく決意を新たにしました。

 

左上から:緊急避難所用 間仕切りユニットPDFファイル段ボールベッドPDFファイル衛生用品 1PDFファイル衛生用品 2PDFファイル


「三角バケツ」から ~第五章 「防災訓練」考 今と昔~

2019.2.12

三角バケツの写真平成の未曽有の大災害、阪神淡路大震災から24年の歳月が流れました。今春、8年になる東北太平洋沿岸を襲った東日本大震災、3年になる九州熊本地震、昨年には大阪地震、西日本集中豪雨、そして北海道胆振東部地震と、まさしく平成は自然災害から避けて通れない時代でした。 その自然災害から、減災・防災、自助・共助・公助の原則に基づいて立ち向かう為には、日頃の心構えが大切です。定期的に家庭内備蓄の点検・見直しや避難場所・避難所の位置の確認、緊急連絡体制の整備、住んでいる地域や職場の自治体の防災に関する最新情報のチェックなど、普段の日常からの「備え」が重要で、そして、定期的に地域や職場の防災訓練に参加する事を推奨します。

地域自治体の防災訓練(東京都内)は、かっては関東大震災が発生した日である9月1日に集中していました。平日の訓練では参加者も限られていました。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災を境に、冬の季節の防災訓練も行われるようになりました。冬の季節の訓練では、大きな鍋・釜とカマドの炊き出しの道具によって調理された、あったかい味噌汁やスープは、身体だけでなく、心もあっためてくれます。夏の防災訓練は、猛暑による熱中症の問題もあり、比較的天候が穏やかである秋に行われるケースが増えてきました。地球温暖化の影響か異常気象により、最近では秋も猛暑になることが多く、水分補給が欠かせなくなりました。地域の防災訓練は、平日より土曜日・日曜日が参加する率は高い傾向にあります。午前中に行われるケースが多く、長期の避難に備える為の宿泊訓練や夜間訓練を行う自治体もあります。また、最近の傾向では、家族連れで気軽に参加できる終日イベント形式にした防災フェアー・フェスティバルや、外国の方々も気軽に参加できるプログラムにした防災訓練もあります。英語、中国語、韓国語、スペイン語などの通訳を配置し、パンフレットも多言語の文字になっています。

防災訓練プログラムのパターンとしては、避難訓練、初期消火訓練、担架・車椅子を使った搬送訓練、給水袋・給水タンクを使った応急給水訓練、エンジンチェンソー・エンジンカッター・油圧ジャッキなどを使う救出救助訓練、非常食の配布・試食、煙ハウス体験、間仕切りユニットを設置した避難所体験などが行われます。最近では、備蓄倉庫の見学など、どんな物が備蓄されているのか直接見て接することができます。備蓄されていた非常食の配布も乾パン中心からビスケット・クラッカー・アルファー化米など多様に変化しています。

訓練の中身は、地域自治体の防災部門だけでなく、地域の消防・防災・医療、ライフラインと言われる電気・ガス・水道・通信機関等や自治会などの地域住民組織と共同で計画されて、訓練日に向けて時間をかけて準備されています。1年かけて準備しても、悪天候により、やむなく中止にせざるをえない場面もあります。訓練の為に、事故が起きては意味が無いので、中止の判断も、危機管理の上で、防災訓練の重要な要素です。

災害は、まさしく非日常です。当然、起きてほしくありません。

「天災は忘れた頃にやってくる」は寺田寅彦の有名な言葉ですが、やはり日常・普段の「備え」や心がけが大切です。その為にも、地域や職場の防災訓練の機会があれば、できるだけ積極的に参加されることを望みます。

左から:まかないくん50型PDFファイルまかないくん85型PDFファイルまかないくん30型PDFファイル


「三角バケツ」から ~第四章  11月19日は何の日?「日常備蓄」考~

2015.11.12

11月19日は何の日でしょうか。11月19日は「備蓄の日」(年に度は、びち()く(9)の確認)です。東京都が、家族で備蓄を確認するきっかけとなるように設けられました。

三角バケツの写真備蓄と聞くと何か特別な物、非日常的な物と思いがちですが、日常の延長にある物が備蓄です。普段のスーパーやコンビニでの買い物が万が一の災害に対する「備え」になるのです。少し多めに購入し、食べる・使う循環サイクルシステムのメリットは、費用面、スペース、常日頃の防災に対する意識作り等ですが、プラスアルファとして、従来の長期保存備蓄とのコラボレーションも重要だと思います。「日常備蓄か長期保存備蓄か」ではなく、両方のメリットを活かした相乗効果こそが、いつ起こるかわからない災害に対する防波堤になると思います。

実際に、毎日、防災に対する意識や心掛けをするというのは大変な事です。11月19日だけでなく、防災を意識した時、思い出した時こそが、人それぞれの「備蓄の日」です。

「11月19日、備蓄の日」をきっかけに自分自身の「My(マイ)備蓄の日」を作ってみてはどうでしょうか。

従来の「9月1日、関東大震災、防災の日」「1月17日、阪神淡路大震災、防災とボランティアの日」そして「3月11日、東日本大震災」を機会に、定期的に確認をするのも有効な方法ですが、自分や家族の誕生日、記念日を機会にするのも、日常備蓄の考え方と符合すると思います。

「日常備蓄」を是非とも実行しましょう!

参考サイト:
東京都防災ホームページ > 都民の備蓄推進プロジェクト
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kyojyo/1001855/index.html

避難セット

日頃から家族・組織単位で防災ミーティングを開いて
非常時の役割分担、避難経路・避難場所などの確認をしておきましょう。

避難21セット 避難ホームセット
左から:避難21点セットPDFファイル避難ホームセットPDFファイル

さまざまな保存食セット

被災直後、どこでも手軽に食べられるカンパン・ビスケット・パンの缶詰は必需品です。
栄養のバランスを考えて組み合わせた保存食セットも便利です。

保存食5年サポートセットⅡ保存食5年セレクトセット2保存食ONE DAYセット (約3食分)

左から右:保存食5年サポートセットII(約1日分)PDFファイル保存食5年セレクトセットII(約3日分)PDFファイル
保存食ONE DAYセットII (約3食分)PDFファイル

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「三角バケツ」から  ~第三章  商品開発、道半ばのトイレ~

2015.8.10

第二章では「非常食」を取り上げましたが、今回は「トイレ」をテーマに、東京都葛飾福祉工場のトイレ商品の開発の歴史を辿ろうと思います。

カタログでは、現在、簡易トイレ2ページ、仮設トイレ2ページの計4ページでトイレ関連の商品が紹介されています。

三角バケツの写真今でこそ、防災用品に無くてはならない存在の「トイレ」ですが、防災用品の備蓄物資としては「非常食」に比べ、かなり後発の扱いでした。

非常食とは対照的にトイレが軽視されがちな状況の中で、トイレの必要性、重要性を訴えて、最初に世の中に出した商品が「サニター」でした。現在のサニタクリーン・ポータブルの原型にあたる商品で、1980年に開発されました。

現在の便袋には、高速吸水凝固シートが袋の底部に接着・一体化されていますが、当時の便袋は、何も接着されていない、まさしく「袋」でした。凝固シートはわかりやすく言えば、紙オムツの原理を応用した便袋です。

その後、簡易トイレから、仮設トイレの商品開発が行われ、テント型で貯留式の「ベンチャー」が生まれました。

この商品は、1990年に開発されました。高齢者や車いすの方も安心して利用できるトイレというコンセプトで開発したのですが、現在、25年の歳月が経ち、まだまだ改善すべき点がある未完成の商品です。今後、ぜひとも改良を加えて完成させたいと思います。

1995年1月17日の阪神淡路大震災を機に、災害対策用トイレの必要性が絶対的に問われ出しました。地震のパワーは、下水道やマンホール、既存のトイレそのものを直撃、破壊します。2000年以降、下水道やマンホールの強化が行われ、それと同時並行に、行政もテコ入れしたマンホール対応型トイレが商品開発化されています。

現在、凝固シートを利用した便袋タイプと組み立て式簡易トイレのセット、それに従来の災害対策仮設トイレ「ベンチャーシリーズ」が開発してきた主なトイレ関連商品ですが、完成度としては、まだまだ「道半ば(みちなかば)」です。あらゆる人々が使用でき、便利だと思われるようなトイレ商品を、さらに深化して開発していかなければと思います。
「次」「NEXT」をめざして!

サニタクリーンシリーズPDFファイルの便袋のしくみ

便袋の図解

さまざまなトイレ用品

サニタクリーン簡単トイレ 20枚入サニタクリーン簡単トイレ+既設トイレ利用キットサニタクリーン簡単トイレ+組立式トイレ災害対策仮設トイレ<ベンチャーシリーズ>

左から:サニタクリーン簡単トイレ 20枚入PDFファイルサニタクリーン簡単トイレ+既設トイレ利用キットPDFファイル
サニタクリーン簡単トイレ+組立式トイレPDFファイル災害対策仮設トイレ<ベンチャーシリーズ>PDFファイル

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「三角バケツ」から  ~第二章  進化する非常食~

2015.3.10

「あなたにとって一番大事な防災用品とは?」と質問されたら、おそらく、皆、人それぞれ出てくる答えは違うでしょう。ある人は、食べ物、またある人はトイレと、答えは千差万別だと思いますが、おそらく、一番多いのは食べ物、いわゆる「非常食」でしょう。

三角バケツの写真三角バケツから始まった東京都葛飾福祉工場の防災用品は、その後、非常食や保存飲料水の販売分野に進出しました。今でこそ、非常食のメニューは多種多様ですが、当時(1980年頃)は「乾パン」が主流、独占状態でした。ちなみに保存飲料水は、今は、5年保存が主流ですが、当時は、2年保存でした。
この乾パンはメリットとしては、安価でスペースも取らず、携帯に便利で保存性も高いのですが、デメリット(弱点)は「固い!」の一言に尽きるでしょう。

固い乾パンのイメージから脱却する為、柔らかく食べやすい非常食用のビスケットやクラッカーが新商品として生産、販売されました。ただ、やはり、災害が万が一発生した時の一食目は、乾パンでしょう。
そして、二食目に別のメニューに切り換えて、ビスケットやクラッカー、水やカセットコンロなどの煮炊き道具があれば、乾燥ご飯(アルファ米)を作るなどして、普段の食生活と同じように、メニューを変化させて、厳しい災害状況の中でも、工夫を凝らしながら乗り切ろうとしていく姿勢が大事だと思います。

固い乾パンがどうしても食べられない人は無理はされなくても良いと思います。小麦食物アレルギーの問題もありますので、自分に合った非常食のメニューを考えてみることも大事だと思います。

非常食の分野で最近、敬遠されがちの乾パンですが、非常食の元祖「乾パン」の存在は決して忘れないでください。

阪神淡路大震災から20年、そして、東日本大震災から4年の月日を重ねようとしています。
現実的には減災ですが、気持ち、心は「一人の犠牲も出さない、被害0(ゼロ)」を目指して、防災用品を世の中に広めていきたいと思います。

カンパン保存用大型カンパン・ビスケット・クラッカー

上から:
カンパン(賞味期限5年4ヶ月)PDFファイル保存用大型カンパン・ビスケット・クラッカー(賞味期限5年4ヶ月)PDFファイル

さまざまな非常食用ビスケット

アンパンマンどこでもビスケット保存用ファイバービスケットビスコ保存缶保存用ビスコ(コンパクトタイプ)

左から右:
アンパンマンどこでもビスケット(賞味期限5年)/保存用ファイバービスケット(賞味期限5年)PDFファイル
ビスコ保存缶(賞味期限5年3ヶ月)PDFファイル保存用ビスコ<コンパクトタイプ>(賞味期限5年3ヶ月)PDFファイル

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「三角バケツ」から  ~第一章~

2014.4.16

1972年(昭和47年)開設から3年後に防災事業進出のきっかけとなった、記念すべき防災用品の開発第一号商品が現在の「ファイアマンW」三角消火バケツでした。当時、東京都内区市町村にくまなく配布された三角消火バケツのパンフレットは、たった一枚A4サイズのチラシでした。それから約40年の時を経て、今では500アイテムを超える商品を、様々なメーカーの協力を得て企画製造・販売をするまでになりました。

三角消火バケツの写真防災・避難用品カタログもカタログ検討委員会(通称カタケン!)、カタログ作成プロジェクト(通称カタサク!)を立ち上げ、毎年必ず改訂版を発行しています。

Webサイトのリニューアルを機会に、これからも企画開発した防災・避難用品を紹介していきます。信頼のブランド、ファイアマンマークの由来やエピソードなども、近い将来掲載する予定です。

是非とも、お楽しみに!!

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